世の中の望むキョウ体験 映画「君の名は。」をみて byしきとら

こんにちは。しきとらです。

Mogloveの集まりとは別で、前々から気になっていた映画「君の名は。」を観てきました。私は2007年公開「秒速5センチメートルを初めに見て以来、新海誠さんのファンでいたので、そんな人の感想だと思ってください。(もちろん、2002年公開のほしのこえも遡ってみました)

 

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この映画の公開日は8月26日でした。その手前にサントリー天然水とコラボしたCMが流れていたな、なんて思い出してみたり。新海さんの作品は短編アニメーション、映画、CMとありますが、CMもぜひご覧になってみてください。


感動の深海誠アニメCM集【完全版】


「君の名は。」監督 新海誠 cm集 君の名は。サントリー 大成建設 Z会

 

本題です(映画のネタバレはしません)

 

 私の偏見かもしれませんが、本作を観たのは20代前半の女性でアニメを普段見ない方が多かったような気がします。(映画館やSNSでのレビューを踏まえて)この顧客層の開拓とリピートする人の増加が、興行収入100億円突破という大ヒットにつながったのでしょう。私の中には、ジブリではないアニメ映画が世の中になぜ受け入れられたのか?という疑問があり、その理由と映画の魅力を併せて考えていこうと思います。

映画館でしか味わえない体に響く体験(響体験)

 本作の感想といえば、まず、『絵のリアルさに驚いた』というものがあるかと思います。しかし、それは映像が実際の目で見る風景のリアルさ、写真のようなリアルさではないと私は思いました。本を読んだときに思い浮かべる映像に近いと思いました。何でもいいです。小説を読んだとしましょう。その時に思い浮かべる主人公やヒーロー、ヒロイン、風景は自分の中の理想的なものではないでしょうか?理想的なものというのは、薄汚れた風景や怒りや哀愁、冷酷さを感じる時もそうです。全く現実世界では見ることができないという意味とは若干違いますが、個人の心象風景にダイレクトに語りかけてくる、視聴者自身の夢や妄想に近いものだと感じます。東京の街を仰ぎ見るカメラワーク、雨の表現(言ノ葉の庭でも)、出会えないもどかしさや寂しさを感じる立ち位置。我々の視覚を存分に満たしてくれます。

 RADWIMPSの曲は、予告CMを観たときにはちょっとチープだな・・・と感じてしまいましたが、映画では全くそんなことを感じませんでした。それは要所要所で加速する展開にのせる音としてよかったのでしょう。加速する展開に自分が乗りすぎて歌詞は全く頭に入りませんでしたが笑

『映画でないと損をする』という感情が沸き起こるからこそ、二度三度と映画館に足を運ぶのでしょう(リピーター増)

視覚聴覚と完全にジャックされた私たち鑑賞者は一瞬しか味わえない響体験として心に刻むのです。

後日談をする共体験

 これについては、ヒット作品どれも似たようなものだと思います笑

しかし、視聴者にとって①新規性がある(トレンドを先取り・掴んでいる)②写真やレビューで自身のオシャレさを表現する手段となる③ちょっと昔、若い頃の回想に耽ることができる、以上三点ににヒットしない人=作品を楽しめなかった人な気が私の中ではしています。特に②については見事にこの作品がヒットしているかと思います。SNS世代の我々にとってどれも必須のもので、視聴する層の新規開拓ができたことも頷けます。

これぞ映画の共体験です。

 

世の中の望む映画を通した体験を本作は叶えているのではないでしょうか? 

 もちろん、こうして長年ファンでいた私も本作を楽しんでいるので、既存客を手放したということはないと思います。ただ、私としては、秒速5センチメートルが最高作です。重厚だったり、儚すぎる音楽はつらい(私は天門さんの作曲すきですが)キャラクターデザインを受け入れづらいなど、君の名は。で望む通りで見てもらうと感じることは異なると思うのですが、映画で気になった方にはぜひ見てもらいたいです。これ以上はネタバレになり面白くなくなると思うので書きません。

 


「秒速5センチメートル」予告編 HD版 (5 Centimeters per Second)

 

以下こまごまと雑感

・構図もですが、スポンサーやとある重要な人物も以前の監督映像作品で登場したものが随所にちりばめられている。まだあるのではないかと、探してみたいと思った。

・歌詞はあまり頭に入ってこなかったが、秒速では歌を元に映画が構成されてる(確か)歌詞からの解釈もできたらいいな

・ただ映像きれいなだけじゃんと思う方は、小説を読んでみよう。違った一面が見えてくると思いますよ。君の名は。はまだ見てないので、今度読んでみます・・・

・ティアマト彗星が映画で出ましたが、監督は星や空をみるのが好きなんだなとつくづく思う。

Netflixで他の新海さんの作品は見ることができるので、こちらも必見です!

・今日体験というキーワードも盛り込めばよかったと後から気づく…

 

 

↓タマオさんとお話しをしました。私の投稿は初でお聞き苦しいところはあるかと思いますが、ぜひ。


【第2話】映画「君の名は」~圧倒的な映像美・映画館ならでは・新海作品としての感想・考察~